WEB楽器博物館

グランド・ピアノ(ブロードマン)

グランド・ピアノ(ブロードマン)
ブロードマン Brodmann 1820年頃 ウィーン

ブロードマンはウェーバーも愛用したウィーンの名工で、美しい木目の胡桃材仕立てのこのピアノは、トルコ風音楽の演奏をより効果的に際立たせる特殊なペダルを備えている。右から2番目のペダルは内蔵されたベルを鳴らすことでトルコの小さなシンバルを模し、4番目のペダルは厚紙を弦に触れさせることで低音リード楽器に似せた音を作る。18世紀から19世紀のヨーロッパでは勇壮なトルコ風趣味の音楽が流行し、19世紀前半には、このようなペダルを備えたピアノが数多く生産された。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)